
糸満市福地にある琉球ガラス村は、約3,000坪の敷地に工房、ギャラリー、ショップ、体験施設、飲食施設、広場を備えた、琉球ガラスのテーマパークです。制作現場から完成品、体験までを一体で楽しめる施設として、沖縄を代表する観光スポットの一つとなっています。
琉球ガラスは、約115年前に本土から技術が伝わり発展しました。第二次世界大戦の激しい戦火により大きな打撃を受けましたが、戦後、物資不足の中で廃瓶を再利用してものづくりを再開したことを契機に再生ガラス文化が築かれました。限りある資源を活かすサステナブルな取り組みとして、現代のSDGsの考え方にも通じています。その後、各地の工房が連携し、製造・販売・体験を一体で提供する拠点として琉球ガラス村が形成され、産地ブランドとしての価値を高めてきました。
近年、旅行者のニーズが「モノ消費」から「コト消費」へとシフトするなか、2024年12月には琉球ガラスの世界観に包まれるイマーシブ(没入型)空間「RYUKYU COCOON」をオープン。光と空間を活かした幻想的な演出を通じて、琉球ガラスの魅力を体験価値として提供しています。
同施設には「現代の名工」4名を含む19名の職人が在籍し、実用品にとどまらない芸術性の高い作品づくりにも取り組んでいます。伝統を守りながら、新たな価値創出に挑み続けています。
車の窓ガラスを再生した『MADO』シリーズは、美しさと環境配慮を兼ね備えた新時代のクラフトです。
熟練の職人が切磋琢磨しながら新たな価値を生み出しています。

フォトスポットとしても大人気の「RYUKYU COCOON」
RGC株式会社が運営する琉球ガラス村は、沖縄の伝統工芸である琉球ガラスの魅力を発信する複合施設です。ガラス製造の工房をはじめ、商品販売スペース、体験工房、事務所機能を併設し、県内外から多くの来訪者を迎えています。
近年は観光需要の回復に伴い来客数が増加し、それに比例して施設全体の電力使用量も増加傾向にありました。ガラス製造には電気炉をはじめとする多くの設備が必要であり、事業規模の拡大と快適な来客環境を両立しながら、無理のない形で電気料金を抑制したいという経営上の課題を抱えていました。

琉球ガラス村では溶解炉、徐冷炉として電気炉を使用しています

分析結果を基に具体的な運用改善提案を実施
こうした課題を受け、2023年に沖縄電力㈱法人営業部へ相談。現地での聞き取りに加え、電気使用量のデータ分析を行った結果、比較的取り組みやすい対策として、電気炉の立ち上げ時間の平準化や事務所空調機の運用改善について提案を受けました。
あわせて、消費電力量の急激な増加を抑制するため、電力使用状況の「見える化」を目的にデマンド監視装置を設置。事務所空調の運用見直しを中心に改善を進めるにあたっては、毎日の朝礼で節電に関する声掛けを実施しました。こうした地道な取り組みを約1年かけて積み重ね節電意識が徐々に現場に根付いた結果、着実に省エネを進めることができました。
設備の入替については、生産効率の向上や品質の安定を見据えた中長期的なテーマと位置付けていますが、今回の取り組みによって、将来の設備更新を計画的に進めるための基礎データや判断材料を得ることができました。設備の入替にあたっては、補助金の活用についても沖縄電力に相談しながら進めることができたのも非常に助かりました。
来客数の増加に伴い、工房や施設全体を含めたエネルギー管理の重要性が高まったことから、2025年に「省エネウォークスルー診断」を実施。
現場を実際に確認しながら、
などについて、実態に即した具体的な省エネアドバイスを受けました。
「業務や作業品質を落とさずに実行できる提案」が示されたことで、今後の改善の方向性がより明確になりました。

現場を実際に確認する「省エネウォークスルー診断」
(写真左から)仲里取締役専務、里課長、佐次田さま
省エネは一度きりの対策ではなく、継続的に取り組むことで初めて成果につながるものだと感じています。課題や状況の変化に応じて適切な助言をいただけたことで、効果を実感しながら着実に取り組みを進めることができました。
また、省エネ対策に欠かせないのが現場の理解と協力です。どれだけ有効な施策であっても、日々の業務に落とし込まれなければ継続は難しくなります。その点、沖縄電力の担当者の方には親身に相談に乗っていただき、省エネの専門家としての的確な提案と継続的なフォローを受けられました。その結果、現場での運用も無理なく定着し、安定した省エネ活動に繋がっています。
今後はさらに一歩踏み込み、電力使用量の大きい電気炉をターゲットとした計測(IT診断)を沖縄電力㈱法人営業部に相談しているところです。詳細なデータを基に、より効果的な省エネ施策の検討を進めていく計画です。
製造業では、歩留まり(材料やエネルギーを無駄なく製品に変える効率)の良し悪しがそのまま収益性や競争力に影響します。光熱費の最適化を通じてムダを減らすのと同時に、現場の職人が技術を磨き、新たな挑戦に前向きに取り組める環境を整えることで、持続可能なものづくりと事業成長を実現していきたいと考えています。
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